妥協のない欧州の旅 (4)

1月2日 アムステルダム→ブリュッセル

1月2日(金)
今日がアムスの最終日。ちゃんと観光もしておこうと午前中から街に出て、徒歩と路面電車でいろいろと動き回る。今日もまた底冷えのする寒さだ。

まずは飾り窓見学。要するにアムステルダムにあるソープランドである。飾り窓という名の通り、建物にずらーっと大きな窓ガラスがついていて、そのガラスの向こうにプロフェッショナルの女性が下着姿で並んでいるのである。で、客はちょうどウィンドウ・ショッピングをする如く通りから女性を品定めして回るという趣向。これってどこかで見た光景だなあと思っていたら、大阪の飛田新地そっくりではないか。思わぬ偶然にびっくり。それとも飛田新地が飾り窓のやり方を真似たのかな。しかしさすがはプロの女性。みんな堂々としていて迫力ありました。妻は「一番歩きにくい地区」と言っていたがそりゃそうか。

年末にバーで呑んで気に入ったお酒、ジャネヴァーを買おうと酒屋さんに入る。店の兄さんに尋ねてお薦めの1本を購入。500ml入りで8.5ユーロだから値段も焼酎なみに安いです。その後レンブラントの家を観たり、運河沿いを歩いたりする合間に・・・

【※もともとの文章から16行省略】

アムスの最後を飾るのは水上バス。運河からゆっくりと街並みを見物し、ホテル近くの船着場で降りてホテルをチェックアウト。タクシーに乗ってアムステルダム中央駅へ。駅構内にある食堂でスープを飲んで体を温める。しかし店を出てプラットフォームで特急電車を待っているうちにまた体温を奪われ、体の芯まで冷えてきた。なんじゃこりゃ。めちゃくちゃ寒いではないか。コートを着てマフラーをぐるぐる巻きにしていても寒い。電車が来て、慌てて乗り込む。奮発して一等車両にしたのでなかなか座り心地の良い、コンパートメントになった席である。

午後4時20分にアムステルダム発。一気に南下してベルギーのブリュッセルまで約2時間半の列車の旅だ。だが、どうも体の震えが止まらない。ものすごい悪寒がする。暖かいコンパートメントのなかでコートも脱がず、マフラーも手袋もしたままで眠りに落ちた。

午後7時頃ブリュッセル着。悪寒は少し治まった。ブリュッセル中央駅から徒歩数分、ロイヤル・ウィンザー・ホテルにチェックイン。荷物を置いて、さっそく夕食へ。食の都ブリュッセルである。これはもうかなり期待していいんじゃないのか、と浮かれつつ、イロ・サクレ地区というレストランの集まったところで、とある店に入った。が、これが最悪。私の頼んだステーキは死ぬほど硬く、ワラジのような味気なさ。はっきり言ってアメリカのステーキのほうが100倍美味い。今まで食ったなかで最もひどかったグァムのイタリアンレストランのパスタより不味い。しかもウェイターの態度がまったくなっていないのだ。妙に慣れなれしいわ、チップはしつこく要求するわ、散々である。大馬鹿者。お前みたいなやつにチップなどやるものか。てめえなど雷に打たれて死んでしまえ。”La Petit Bedon”、観光客をナメるなよ、世界中の悪霊に呪われて潰れろ。(以下14行削除)

早々に店を退散してカフェで口直ししたものの、夫婦ともに怒りが収まらぬ。げに食べ物の恨みは恐ろしい。アムステルダムの印象がものすごく良かっただけに、ベルギーは完全にミソがついた。明日以降の復活劇は果たしてあるのか。