(26) 御天(代々木)

本店:下井草

往年(かれこれ7、8年前)の名店、新代田「なんでんかんでん」のスタッフが独立開業した店。「なんでんかんでん」の味の低下を嘆いた一部のスタッフが「これではいかん」と下井草に新しいラーメン屋を開いた。それが「御天」である。

場所は、新宿新南口から高島屋を経て、明治通りを代々木方面に南下したところにあるが、代々木駅からのほうが近い。「なんでんかんでん」とは違い、こざっぱりとした清潔な外観の店である。

この店は、東京にいながらにして、「ひねり」や「アレンジ」を施さない、本場ならではの博多ラーメンを直球で食べさせてくれる貴重な店である。

硬めに茹で上げられた針金のようなストレート麺とじっくりと豚のゲンコツを煮出した味わい深いスープは、なんの衒いもない正統派の博多ラーメンを彷彿とさせるものである。

一時期の東京では、純粋な豚骨系のスープから生じる独特の臭味(アンモニア臭)を嫌う客が多く、いわゆる「東京風」にアレンジされた豚骨ラーメンが流行したが、それらの店とは明らかに一線を画するものだ。

正統派の博多ラーメンを身近な場所で味わってみたい人は、是非一度足を運んでもらいたい。最近では、あくまでも博多系という基本を堅持しつつも、カレーラーメンやタイ風ラーメンなどのメニューにも挑戦しており、将来性にも期待が持てる。

評価は、(1)麺12点、(2)スープ14点、(3)具3点、(4)バランス9点、(5)将来性10点の合計48点。