(27) せたが屋(駒沢大学)

研究熱心で優しい人柄の店主が作る、削り節、煮干し等をベースとした魚介類系のラーメンは、熱烈なファンを数多く擁する。2000年に開店。オープン当初からフリークの間では評判の高かった店である。その後一時閉店となったが、2001年にファンの要望に応えて再び蘇った。

メニューのベースは「ラーメン」と「つけめん」の2種類。麺は普通の麺と極太平麺の2種類から選択可能。どちらも美味いと評判であるが、特に「極太平麺」は、この店でしか食べられない絶品だ。

ボクが選んだ「せたが屋ひらつけめん」は、極太平麺が350グラムという凶暴な分量を誇る一品(普通のラーメンの3倍弱)であり、せたが屋の「らーめん」と較べても、約2倍の分量らしいのであるが、情報によると、なぜかスルスルと胃の中に収まってしまうという。まあ僕も大量のラーメンを一気に食べることには職務上慣れているので、分量の多さについてはさほど気にせずに注文した。

ラーメン作りの雰囲気は熱心そのもの。麺の湯切りもこれでもかという程に完璧に行っており、クオリティは高い。

出てきた品は、平たい皿に極太平麺が山盛りになっており、成程、非常に美味しそうだ。スープも、鼻が悪いボクでも十分に煮干しの味を感じ取ることができるほど、濃厚で美味そうなコッテリ系。具のチャーシューも味付け卵もよく出汁が染みこんでいる。

まずは一口。これが壮絶であった。煮干しをベースとした個性的なスープの味が口内に立ち上る。すこし唐辛子が混じっているのだろうか、心持ちスパイシーな味がするが、それがなお一層食欲を掻き立てる。とにかく、スープは非の付けどころのない凄まじい旨さを誇る。例の極太平麺とスープの相性がすこぶる良好であることは、もはや言うまでもない。

麺の食感も、ラーメンを食べ慣れているボクでさえ未知の体験と言うべきものであり、食べていて気持ちがよい。

具も、予想通り文句の付けようがない。心持ち小さく刻まれたチャーシューの破片を、麺に絡めて食べると、尚一層風味が増す。

机の上に「ガツン汁」という魚介類とカエシを混ぜたタレが置いてあり、コッテリ派の人にお勧めだそうだが、麺を半分くらい食べてからこのタレをスープに少し加えると、旨味が一層増幅する。

つけ麺は、麺を食べ終わってから残ったスープを割ってもらう「スープ割り」を行うのが常識であるが、余りにもスープが旨すぎたため、この日の僕は「割り」をしてもらう間もなくスープを飲み干してしまった。

ここまで美味いつけ麺に出逢ったのは、8年前の東池袋「大勝軒」、3年前の高田馬場「べんてん」以来である。食べた瞬間に体に稲妻が走るような、壮絶な出来。350グラムでは足りない。もっと食べたいと思わせる芸術品である。これは、病みつきになりそうだ。

(1)麺15点、(2)スープ18点、(3)具4点、(4)バランス10点、(5)将来性8点の計55点。

僕にとって駒沢大学は、なくてはならない場所となった。この「せたが屋」と、そして「大八車」、超一流の店が2つもある。これからもきっとお世話になることだろう。

(実食日02年5月)