12月29~30日 ラフィエット→シカゴ→ロンドン
今年は二人にとって非常に忙しい1年だった。最後くらいは精一杯楽しみたい、しかもとことん楽しみたい。ということで今回の旅は夫婦ともにかなり気合が入っている。行程としては
12月29日:シカゴ → ロンドン
12月30日:ロンドン
12月31日:ロンドン → アムステルダム
1月1日:アムステルダム
1月2日:アムステルダム → ブリュッセル
1月3日:ブリュッセル
1月4日:ブリュッセル
1月5日:ブリュッセル → ロンドン
1月6日:ロンドン
1月7日:ロンドン
1月8日:ロンドン → シカゴ
という感じで10日間に3都市を回る予定であるからけっこう忙しい。妻はどの都市も何回か訪れたことがあるらしいが、私にとってはロンドン以外は初めて。とくにアムステルダムは昔から興味のあった街なので非常に楽しみである。
前日に荷造りしたスーツケースを車に載せ、正午過ぎに夫婦でラフィエットを出発。17時45分シカゴ・オヘア空港発なのでずいぶん時間があるように見えるが、昨今のアメリカのセキュリティチェックの厳しさを考えてかなり余裕をとっておいたのだ。
ややこしいことにここインディアナ州ラフィエットはシカゴとほとんど同じ経度にあるにもかかわらず時差(1時間)があり、約2時間のドライブでシカゴに着いたのが午後1時過ぎ。駐車場から空港までマイクロバスで送ってもらい、なんだかんだしてるうちに午後2時。チェックインに1時間で午後3時。だがセキュリティチェックはけっこうシステマティックに実施されていて、意外に時間がかからず30分程度で済んだ。最後の食事はマクドナルドで締めくくる。アメリカらしくていいですね。1時間ほど待合室で待った後、いよいよ搭乗開始。今回使うのはブリティッシュ航空だ。
シカゴからロンドンまでの飛行時間は7時間弱。日本から行くのに較べるとずいぶん近い。持参のiPodで音楽を聴いたり、うたた寝したり、食べたり呑んだり、本を読んだり(今回は『ザ・ゴール』を持っていた。次学期のオペレーションの授業でこの本が指定テキストになっているため、日本語でまずは予習しておこうという腹づもりである)してるうちにけっこうあっさりとヒースロー空港に着いた。
12月30日(火)
シカゴとロンドンの時差は6時間。ヒースローに到着したのは30日午前7時前だった。ヒースローエクスプレスという、成田エクスプレスみたいな列車があって、それに乗るとパディントンまでわずか15分で着く。んが、一人13ポンドはちょいと高いんではないか(1ポンドは約200円)。パディントン駅でタクシーを拾い、ボンドストリート駅近くのホリデイ・インに到着したのが8時前。時間が早いためチェックインはまだできず、とりあえず荷物だけフロントに預かってもらって朝食を食べに外に出た。
この日のロンドンは、どんよりとした曇り空。小雨が時折降り、寒い。まさにロンドンのイメージそのままの天気と言ってよい。ロンドン・ファンの私にとってはまことに嬉しい天候である。8年前のやはり冬、大学の卒業旅行(私の初めての海外旅行)で行き先に選んだのがロンドンであった。カッコいい音楽をたくさん生み出し、カッコいいファッションをたくさん生み出し、興味深い歴史を持った国イギリスの首都、というわけでロンドンを選んだわけだが、期待に違わぬ非常に面白い街であった。
以来、もう一度行きたいとずっと思い続けていたのだ。結局それから8年も経ってしまったが、ついにそれが実現したわけだから嬉しくないはずがない。大通りを歩きながらついつい普通の景色が新鮮に見えてデジカメのシャッターを押すのであった。
オックスフォード・サーカス駅近くのカフェでサンドイッチを食べて腹ごしらえをし、8年前にはまだ無かった現代美術館、テート・モダンに行くため地下鉄に乗る。この美術館、もともと発電所であった建物を流用しているため、当たり前だが外観はどこからどうみても発電所か工場にしか見えない。でかい。で、面白かったのが作品の展示方法。従来の大きな美術館は作品を「年代別」か「作家別」に分類するのが通例であるところを、この美術は”History/Memory/Society”、”Nude/Action/Body”、”Landscape/Matter/Environment”、”Still Life/Object/Real Life”の4つのテーマに大別して展示している。知っている作品もこうして別の観点から俯瞰するとまた違う発見があったりして、楽しめた。残念ながら二人とも到着直後で疲れていて、全部を回りきることができなかったが、ここはまたあらためて訪れたい。
美術館内のカフェでお茶をして、再び地下鉄に乗ってホテルに戻ったのが午後2時前。チェックインして、ベッドに転がり込む。気づいたら午後7時。えらい寝てしまった。腹が減ったのでピカデリー・サーカスまで出てチャイナ・タウンへ。美味也。どこに行っても中華料理は安心して食べられるのがいいですね。
ホテルに戻ったのが午後9時。ホテルのロビーで何気なくタバコの自販機を見て驚いた。なんと1箱5ポンドもするのだ。8年前もたしか500円くらいして「高いなあ」と思ったものだが、ついに1,000円である。1本50円。これはおいそれと喫えん。そのくせイギリスに限らずヨーロッパは総じて喫煙者に優しい場所なんだから不思議。ホテルのロビーでもレストランでも街なかでもどこでもとにかくやたらにタバコを喫っている。どうなっておるのだ。
部屋に入ってテレビでBBCなどを観つつ、この日は早々にベッドへ。明日は朝が早いのだ。今日はロンドンを満喫できたとは言えないが、旅の最後にまた戻ってくる。それまでの楽しみにしていよう。