走らない人が走り始めるとき (2)

走りはじめた人 (2019年11月)

マラソンにエントリーはしたものの特に走り始めるわけでもなく、いたずらに1ヶ月が経過して早くも11月。大会が2020年3月8日だから、あと4ヶ月しかない。さすがにそろそろタイムリミットなんじゃないかと懸念を抱き、おそるおそるランニングを開始した。2年前と同様に自宅の周りをあてもなく5キロちょっと走ったが、当然ながら息も絶え絶えである。苦しい。何も楽しくない。このままじゃ絶対続かないぞ。

そこで対策を考えてみた。「2年前にランニングが続かなかったのは、走る目的というか、走るときのテーマがなかったからじゃないだろうか」。走る目的はというと、さしあたりは3月の静岡マラソン完走である。しかしそれだと先過ぎて今走る理由として弱い気がする。そこで、以後ランニングの度にテーマを設定することにしてみた。

そして翌週。テーマは「とにかく1時間走り続ける」ということにして、コースを変えて多摩川沿いを1時間走り続けた(ぴったり9キロだった)。ん?なんか楽しい。やっぱりテーマを決めると、達成感が得られるので楽しいのである。同じ要領で、「10キロ走る」、「週に2回走る」、「実家に帰省して走る」「15キロ走る」というように毎回テーマを変えて、11月は結局合わせて60キロ余り走ることができたのだった。

ただ、初めて「週に2回走」った直後、あまりにしんどいので熱を測ったら39度もあり、インフルエンザを発症してその後1週間寝込むというおまけがつき、しかもこのインフルエンザ発症が25年余りに及んだ喫煙生活終結のきっかけになったという人生の大転換もあったのだがこれはまた別の話である。

それとは別に、「さすがにいきなりフルマラソンはキツいんじゃないか?」という不安を解消すべく、やはり高校の同級生も参加すると聞いた年末12月29日の「イヤーエンドマラソン in 国営昭和記念公園」のハーフマラソンにもエントリーしたのもこの頃だった。ハーフマラソンをこの時期に入れることによって、何となく「ステップを踏んでいる」感を(自分に対して)演出できた気がする。