昔、屋台だった頃には長蛇の列ができた有名店。しばしば、あの「土佐っ子」によく似た味だとも指摘される店であるが、「土佐っ子」よりもやや醤油の風味が強くなり、脂の量が少なくなったというイメージ。それでも普通の店と比較すると、かなりコッテリ濃厚なテイストである。麺は、「土佐っ子」も使用している「つるや製麺所」製。「土佐っ子」よりもやや細めの中細ストレート麺を使用している。つまり、「土佐っ子」をライトにした感じの一杯。
昔は完全な屋台営業方式をとっていたが、現在は店の中でラーメンを作り、客は店の外で丼を持ちながらワシワシと食べるという半屋台方式を採用している。ただし、グループ客や女性への配慮なのか、一応テーブルも用意されている。
営業時間は、月~土曜日の夜9時から。ターゲットが完全に夜に絞られている。確かに一杯飲んだ後などには最適なラーメンなのかも知れない。時間帯や曜日によって味にばらつきがあると噂されているが、現存する「土佐っ子」系のラーメンの中では相当に美味い部類に入るだろう。
メニューは、700円のラーメンとそれにゆで卵を加えた750円の卵ラーメンの2種類のみで勝負しており、大盛り、チャーシューなどのオプションは存在しない。
最近は700円のラーメンを頼んでもゆで卵が1個付いてくるので、750円の方を頼むと、結局ゆで卵が2個乗っかってくることになる。このサービスは嬉しい限りである。卵一個50円という価格設定も適正だ。
僕はどの店でも「麺硬め、味濃いめ、脂多め」で注文することにしているが、特にこの店について言えば、麺を硬めで注文することが美味しく食べるための秘訣だと言って良い。というのは、麺が細いので、普通に注文すると麺がスープを吸い込んでしまい、麺が伸びてしまうのだ。それ以外の「味の濃さ」や「背脂の多さ」については好みだと思う。
スープは、出来の良い日には醤油の味が程良く自己主張する逸品。表層に載せられた背脂がそのスープにまろやかさを与え、飽きの来ない味を展開させる。チャーシューは、大振りのものが1枚乗るが、これは可もなく不可もなく。
(1)麺10点、(2)スープ13点、(3)具3点、(4)バランス7点、(5)将来性5点の計38点。
夜の9時以降に巣鴨界隈に立ち寄る機会があれば、是非ともお薦めしたい一杯である。界隈には、「千石自慢ラーメン」「巣鴨ラーメン」などの同系列の背脂系の有名店が揃っているが、その中では一歩抜きんでている。
都営三田線千石駅下車、白山方面に白山通りを歩いて5分。赤いネオンの看板が目印である。