1月5日 ブリュッセル→ロンドン
1月5日(月)
8時45分起床。荷物をパッキング。いよいよベルギーともお別れだ。ブリュッセル最後の食事はやっぱりオムレツだーっということで、一昨日に行ったカフェ”Gaufres de Burxelles”に再び入店。オムレツを注文。出てきたのは、卵を4つか5つくらい使ってるんじゃないのかと思うくらい大きなオムレツ。ハムとチーズとマッシュルームが、ふわふわの卵にくるまっている。味付けは塩・コショウのみという潔さ。素材が良ければシンプルなほうが美味いのだ、と宣言しているかのような見事なオムレツであった。理想的な締めくくりと言えるのではないか。
ホテルに戻ってチェックアウト。タクシーを呼んで南駅まで。ここからユーロスターに乗ってロンドンに戻るのだ。ロンドンまでは2時間半。ちょうど新幹線の「のぞみ」で東京から大阪に行くのと同じ時間である。ただ新幹線と異なるのが出国管理がある点。まあ国境を越えるのだから当たり前なのだが。飛行機での移動と同様のセキュリティチェックを受けていよいよユーロスターに乗り込む。今回は二等車両(普通車)を選んだが、一等車両(新幹線風に言えばグリーン車)はまさにヨーロッパ風の落ち着いたムードの内装であり、各シートに着いているテーブルの木製であった。一等車両は次のお楽しみということにしておこう。料金のほうは二等車両でだいたい一人1万円くらいだからこれも新幹線並みである。
午前9時56分にブリュッセル発途中の停車駅はフランスのリールとイギリスのアシュフォード。車内アナウンスはフランス語、英語、オランダ語の3種類が入った。ベルギー、フランス、イギリスと移動していくたびに、家の屋根の形や色が少しずつ変化していくのが面白い。途中うたた寝などしてるうちに、ロンドン(ウォータールー駅)に到着。時差が1時間あるので到着時刻は午前11時27分。といいながら11時20分くらいには着いた。ここらへん、ほぼ完璧に時刻表通りに到着する新幹線とは異なるところである。まあ早く着く分には全然かまわないのだが。
ウォータールー駅からタクシーでボンドストリート駅近くのホリデイ・イン。年末に宿泊したのと同じホテルだ。チェックインの手続きをしていると、フロントの女性が「日本から来たのね。日本の道路ってイギリスと同じで左側通行なんですってねー。面白いわ」と話しかけてきた。うーん。たしかにそうだ。でもチェックイン時の話題としては奇妙な感じではある。
荷物を部屋に入れ、腹を満たすために早速外出。ボンドストリート駅にある”PRET A MANGER”にてサンドイッチをテイク・アウェイ。日本にも進出している”PRET A MANGER”だが、8年前のロンドン旅行で初めてここのサンドイッチを食べたときはほんとに感激したものである。たしかナショナル・ギャラリーのなかに店があって、そこで初めて食べたのだった。で、ホテルの部屋に戻って久々に食べたここのサンドイッチはやはり美味かった。学生時代の思い出の味である。
午後2時半から妻と別行動。私は久しぶりのショッピング。ホテル近くの百貨店セルフリッジやオックスフォード・ストリート沿いの「フレンチ・コネクション」などを見て回る。セール中であり、ものすごい人。だが、それよりも圧巻だったのは男物の衣料品の種類の豊富さ。東京はでかくてモノが溢れている街だが、こと紳士服に関してはロンドンには敵わない。セルフリッジひとつとってみても、めちゃくちゃでかい一フロア(2階。イギリス流に言うと1階)が全て男物の衣服で埋まっているのだ。
というわけで余りの種類の多さに完全に圧倒され、結局何も買わずにこの日はショッピング終了。ふん。どうせオレはインディアナの片田舎からやってきたおのぼりさんですよ(自虐的)。
5時半にホテルにいったん戻って妻と合流。地下鉄でピカデリー・サーカス駅に行ってチャイナ・タウンで食事。そこから歩いてHer Majesty’s Theatre。今回のロンドン旅行では徹底的にシアターを楽しもうというわけで、その第一弾がここで演じられているミュージカル、”The Phantom of the Opera(オペラ座の怪人)”なのであった。Royal Circle(2階席)の一番前の列を予約して一人42.5ポンド。ここからだと舞台の全てを見渡せ、オーケストラも見ることができる。
午後7時開演。いやはや2時間の長丁場だがダレることなく心から楽しめた。すっかり作品に感情移入してしまったわれわれ夫婦。最後は悲しさの余り二人とも涙。オーケストラも非常に良く、大満足。ミュージカルがこんなにいいものとは知らなかった。お陰で人生の楽しみが一つ増えた思いである。劇場を出てイタリアン・レストランに入って私はビール、妻はコーヒーとデザートだけ食べて午後11時頃ホテルに帰る。
夜、テレビをつけるとBBCでダーツの世界選手権をやっていた。二人の選手が「501」というゲームを延々と繰り返している。まことに地味である。が、非常に熱い。日本を出国する直前にダーツに少しハマっていた私はついつい見入ってしまう。こうして二人の争いを見ているとダーツはボウリングと似ていて非常に心理的なゲームだということがわかる。ここでまたもや余談だが、アメリカに行けばダーツをする機会が少なくとも日本よりは多いのではないかと考えて、半年前の日本出国の際の手荷物にダーツを入れていたのを思い出した。んが、関西空港のセキュリティチェックにばっちりひっかかり(そりゃ金属製のでかい針なんだから当たり前だ)厳重注意され、こりゃこのままではアメリカ入国もままならんと思って関西空港の出発ロビーのゴミ箱に泣く泣く廃棄したのであった。あああ、あれはもったいなかった。馬鹿な私。