(17) 山彦(末広町)

湯島天神の裏手にある鶏料理の店「鳥つね」が開いたラーメン屋さん。2001年オープンの話題の新店である。鳥の旨味を活かしたラーメンで評判の店であり、「ラーメン界の生き仏」大崎氏御推薦の店のひとつでもある。

デフォルトの「中華そば」(醤油味)、塩味の「山彦そば」の2大看板をひっさげて意気揚々とラーメン界に殴り込みだ。看板メニューは「山彦そば」。ラーメンに、チャーシュー、兵庫県産の拘り卵、ほうれん草、あと、肉団子(鳥の肉を醤油につけたもの)が載る豪勢な一品だ。

ここは敢えて、麺カタメなどの注文を付けずにデフォルトで食す。

スープを一口啜ると、「ん?味が薄いぞ!?」。一瞬戸惑ったが、食べ進んで行くにつれて味蕾がスープの味に馴染み、得も言われぬ上品な味にしばし酔いしれることとなった。いわゆる「塩味」で食べさせる類のスープではなく、あくまでも、鳥などの素材の中から生まれいずる塩の風味を楽しむといったコンセプトのラーメンであり、昨今、巷に蔓延している塩ラーメンとは一線を画したものである。

麺は、細麺のストレート。やや柔らかめであることに不満は残ったが、鹹水の量が少な目なのか、臭味も少なく、スープとよく調和している。

具の肉団子は、風変わりな味で、つみれにも似た食感があるが、宣伝材料として取り上げるには物足りないような気がする。拘り卵は、さすが自称日本一の上質卵の産地兵庫県から取り寄せていると謳うだけのことはあって、旨かった。スープまで完食。

(1)麺11点、(2)スープ13点、(3)具4点、(4)バランス7点、(5)将来性8点の計43点。

秋葉原界隈では、「がんこ八代目」や「玄」に続く期待の新店である。

(最新実食日02年5月)