走らない人が走り始めるとき (9)

新型コロナの影響でマラソンを走れなかった人 (2020年3月~10月17日)

思えば今年3月の静岡マラソンがデビュー戦になるはずだったが、新型コロナウィルスのおかげで吹っ飛び、その後急遽申し込んだ5月の奥州きらめきマラソンも中止。これはもう当分マラソン大会の開催は無いなと観念していた。

一方で同じくコロナウィルスの影響で会社に出社する頻度が下がり、自宅勤務が増えるにつれてランニングの距離は伸び始め、4月に140キロ、5月に160キロ、6月に150キロくらい走るようになる。5月からは以前からランニングに誘っていた妻もウェアとシューズ一式を揃えて走り始めるようになり、時々伴走するようになったのも距離が伸びた一因だろう。

しかしこの調子は長続きしない。暑さに弱い私は7月に入ると100キロ、8月に至っては80キロも走れない状態に。ちょうどこの頃にロケットマラソンという聞いたことの無い大会が10月に開催予定というニュースを知り、「まあ開催されるかどうか怪しいもんだけれどダメ元で」くらいの気持ちでエントリーした。5月以降2日に1回のペースで熱心に走っている妻も同じ大会のハーフマラソンにエントリー。

少し暑さの和らぎ始めた9月はギリギリ100キロを走って、いよいよ10月に突入した。気温も更に下がってきて、寒いのが得意な自分には好都合である。が、秋雨前線が居座っているのが気がかりなところ。そして10月17日(土)。私には大会前日だが、妻の出場するハーフマラソンの当日である。しかし残念なことに昨晩からの雨が朝になってもやや強めに降り続いていた。しかも相当気温が低い。妻はしばらく悩んでいたが、結局棄権することに決めた。まあハーフマラソンを走る機会はこれから何度もあることだし、こんなひどい天気の時に走ってランニング自体を嫌いになるのは不幸なことだから正しい判断だろう。

私の方も本当なら前日に5キロ程度の軽いジョギングをしておきたいと思っていたのだが、このひどい雨のなかをさすがに走る気がしない。仕方ないので室内でちょっとだけスクワットなどをし、明日の荷造りと着ていくウェアの準備をし、あとは料理づくりに勤しんでいた。二女と三女が「明日のマラソン、がんばってねー。応援に行くからねー」などと言ってくれるではないか。可愛いものよ。

今日くらいアルコールは止めておこうかどうか少し悩んだものの、呑まないことによるストレスのほうがもっと良くないなと考えていつもどおりビールと日本酒、最後にウィスキーを呑む。が、睡眠だけはしっかりとっておこうと思い、早めに風呂に入って夜10時には就寝した。