走らない人が走り始めるとき (5)

ハーフマラソン前日に酒と対峙する人 (2019年12月28日)

昨晩は所用で深夜帰宅。風呂に入っていつもよりずいぶん遅い午前2時前に就寝した。にもかかわらず朝7時過ぎに目が覚めたのは、明日のハーフマラソンを控えた興奮が早くも始まっているせいなのか、それとも単に歳のせいなのか。

今日はアルコールは抜いた方がいいのかなー、まあそりゃそうだろうなー、でもあれか、逆に早めに呑んでおけば明日の体調に影響しないよな、などと素人の浅はかな思い込みで午前中にビールを1缶呑む。よし、今日はこれ以上は呑まないでおこう。

午後2時くらいから最後の調整で5キロ走る。近所を流れる呑川を下流に向かい、『シン・ゴジラ』でゴジラが破壊の限りを尽くした地区に入る前に折り返す。今日は大会前日だからキロ7分から8分くらいのゆっくりペースでと心掛けるも、そこまで遅くするのも逆に難しく、ついいつもの6分半ペースに戻ってしまい、慌ててペースを無理やり落とす、というのを繰り返していた。

ゆっくり走ったから体が楽なのかと問われると、よくわからない。同じ距離をゆっくり走ったらそれだけ長時間体を動かしていることになるので結局同じのような・・・。

帰宅してシャワーを浴び、冷蔵庫を開けて缶ピールを取り出して口を付けてから自分がビールを呑んでしまっていることに気づき狼狽する。ししししまった。午前中でやめておくと決意したのではなかったのか。仕方なく予定を変更し、今日はビールは呑むけどウィスキーなどのハードリカーは呑まないことに決めた。

昔『タモリ倶楽部』で、新橋駅前のビル地下街の呑み屋を巡ってただひたすら安酒を呑むという特集があった(井筒監督や浅草キッドといったいつものメンバーが出ていた。傑作回です)。ある店の女将さんが、「私はね、二十歳の頃から50年間、1日も酒を呑まなかった日は無いの」みたいなことを言ったのに対して、タモリが即座に「それは相当強い意志をお持ちなんですねえ」と返す場面があって、ああタモリの話芸の凄さはこういうところなんだなといたく感心したことがあったのだが、そういう意味では私の意志の強さも捨てたもんじゃ無い。

夕ご飯は鶏肉とジャガイモとニンジンの照り煮を作って(娘たちにも非常に好評であった)、自分も子供たちに倣って、ビールは呑まずに白ご飯をいっぱい食べた。

食後は二女と三女を連れて町内会の夜回り。「火のよーじん!戸締りよーじん、火のよーじん!」と叫んだ後に拍子木を2度鳴らす、という動作を繰り返しながら町中を40分間練り歩く。さ、寒い。うーむ。明日も寒いのかなあ。

震えて帰宅して、すぐに風呂に入って、風呂上がりに戸棚からアイリッシュ・ウィスキーを取り出しロックでちびちび呑み始めてから自分がウィスキーを呑んでしまっていることに気づき狼狽する。ししししまった。自分の途方もない意志の強さには我ながら呆れてしまう。

このままだらだら呑んでいたらいつもの夜と同じなので、手っ取り早く寝ることにした。午後9時。さて、明日はいったいどうなる?